= 4L80−E オーバーホール =
 4L80−E と言う型式のオートマがオーバーホールで入りました。4L60−Eと言うミッションは、アストロに積んでますのでよく知られてますが、80−Eとは、どのような構造になっているんでしょうか?ケース自体は、一回り大きいように思いますが、一緒かも知れません。重さは、かなり重いです。
このミッションは、トラックや、ベントレーなんかに積んでるみたいです。アメ車にもよく積んでます。サバーバンとかもこれと一緒だったと思います。定かではありません。
 

オイルパンをめっくて見るとかなりのスラッジがたまってます。ただ、このミッションを積んでる車は、2002年の車です。走行距離からも、まだまだいけるはずです。車重のある車ですが、メーターを戻されているのでしょうか?アメリカからの中古輸入車ですから、分かりません。シリアルから、アメリカの方で調べる方法もありますがめんどくさいです。

 
   

ドロドロです。ここまでのは、なかなかありません。

 

オイルフィルターです。真っ黒です。マウスを写真に重ねると新品の写真が表示されます。アメ車のミッションはオイルを交換する時に一緒にフィルターも交換するようになってます。とても簡単に出来るので、一度やってみてください国産のように液体ガスケットとかは、使っていないので、ボルトを外すだけでオイルパンをめくれます。ただ、オイルが滴り落ちてきますので、新聞等をひいて置くようにしてください。

 
   

オイルパンを外すとコントロールバルブボディが見えます。真ん中に鉄板のようなものが付いてますが、これは、油圧センサーです。オイルが残ってますが、かなり黒いです。スラッジもかなりの量です。

   

バルブボディを外したところです。中は、迷路のように複雑に溝がありますが、チェックボールと呼ばれる鉄の玉があります。自分で分解しようと思う方は、この位置を正確に記録しておいた方がいいです。この写真は、4L80−Eです。4L60−Eとは、違う位置です。4L80−Eは、前期、後期があるみたいです。96年で違ってるみたいです。これは、2002年の後期です。前期との違いは、よく知りません。

 

オイルポンプです。前側からボルトを外して引っ張れば取れます。中の構造も単純で、ばらして、中の清掃をしておきました。変な擦り傷もなくクリアランスも適正値です。壊す前に元どうり組み付けておきます。

 
 

オイルポンプの次にインプットシャフトを抜き取ります。フォワードクラッチが、このスプラインにあります。

 
 

フォワードクラッチの中にサードクラッチです。これは、すでにクラッチを入れ替えてあります。洗浄してありますので、綺麗に見えますが、かなり、黒かったです。

 
 

このミッション、走行距離の割りにこんな事になってました。スラストベアリングがつぶれてワンウェイベアリングも跡形もなくつぶれてます。ここに使っているワンウェイベアリングは、周りがプラスチックで出来てます。おそらく少し青いのがそれのすりつぶされた残骸だと思います。ギヤの部分も擦れて使えません。

 
 

写真では、分かり難いですが、ガリガリです。右側に挟まっているものが、おそらくワンウェイベアリングの一部でしょう。

 
   

これが、スラストベアリングの残骸です。最初にどちらがつぶれてこうなったかは分かりませんが、死亡です。ここで、部品を調べているとこのワンウェイベアリングとギヤが2002年で品番が違います。なぜか、調べてみるとワンウェイが小さくなってギヤが大きくなってなす。小さくする理由があるはずですが、小さすぎて耐久性に問題があるのなら以前の方が良かったのではないでしょうか?

   

次に外すのがこれです。名前は、分かりません。外してすぐに写真を撮ればいいのですが、手を洗うのが面倒ですので、外してから写真を撮ってますので、しかも洗浄済みです。新品のクラッチも入ってます。こんなに綺麗ではありません。しかし、ミッションの中ですので、錆びとかの汚れじゃ、ないので、洗浄すれば、綺麗になります。

   

次がこれ、名前知りません。無知です。セカンダリサンギヤとでも言うのでしょうか。名前は、知りませんが構造は、知ってます。これも中をあけて洗浄してあります。この中には、ピストンのような構造で、油圧で、クラッチを押さえつける構造になってます。そのピストンも交換しました。する必要があるか、ないかは、知りませんが、デラックスキットと呼ばれるキッットには、入ってます。あと、ベアリングが割れていたので、とことん洗浄です。

 

オートマをばらすのは、簡単です。前から引っ張ればどんどん抜けます。ただ、組む順番が分からなくなるので、順番に並べて置いていきましょう。ベアリングとか、メタル、プラスチックのワッシャーみたいなものの入れるところを気をつけてください。

 
   

ケースだけにして、十分洗浄して、組みつけに入ります。おっと、写真忘れてました。すでにアウトプット組み付けられてます。

   

ここの組み付けには、ちょっとコツがいります。ワンウェイベアリングが入ってますので、上から入れてもそのままでは、入りません。シャフトを反時計周りに回すと運がよければ、スコンと入ります。入らないときには、いくらやっても入らないので、コーヒーでも飲んでから、やってください。ギヤを組む前に構造をよく見て外で、入れる練習をしてからやると入ります。

 

はい、次の番です。ここもコツがいるところです。上の写真の茶色く見えてるところに、スプラインをあわせて入れます。出来るだけクラッチディスクをそろえて置きうまくいけば、入ります。いつもこうやって入れてるんですが、違うやり方があるのかもしれません。

 
   

ハイ、次の番です。ここも先ほどと同様クラッチディスクをそろえといてよいショットいれます。入らなければ、少し回してみてください。コトンと一段ずつ入っていきます。ちゃうやり方知ってる方教えてください。

ちゃんと入ってればギヤの隙間は、このようになっているはずです。ミッションのケースの穴から見えます。

いよいよ、ミッションが満タンになってきました。アルミのケースを入れてオーバードライブクラッチを組み付けて完成です。ケースの横から、ネジ止めされてるので、締め忘れ注意です。

ここは、簡単です。インプットシャフト入れてから、クラッチディスクを入れれます。スナップリング止めて、ポンプつければ、ハイ終了。